半減期、半減期と「安心になるおまじない」のように使っているようですが・・・

放射性物質の半減期

テレビなどを見ていると、「半減期を経過すると、放射性物質が、放射能を失って、安全な物質に変わる期間」というような意味で使っているように感じます。

でも、半減期は、文字通り、半分になる期間です。

１を基準に考えると０．５になるということです。

この数字を見ると、ちょっと、安心な感じがします。

でも、基準になる値が変わると、印象は変わります。

もし、１，０００，０００単位の放射性物質があると考えると、半減期を経過しても、５００，０００単位もの放射性物質は残存することになります。

そして、その後、半減期が経過すると、２５，０００単位

その後も、半減期経過ごとの残存放射性物質の量は、

１２，５００単位　->　６，２５０単位　->　３，１２５単位・・・・・

となり、いつまでも残り続けるということになります。

基準の単位を兆や京などオーダーにしてみると、その総量が小さくなるまでに、半減期を何回も何回も繰り返し経過しなければならないと想像できます。

これを踏まえて、次の半減期に関する表を見てみて下さい。

放射性元素名	元素記号	半減期	主な崩壊と崩壊後生成元素
炭素14	C	5,730年	・窒素14（N） ※安定同位元素
カリウム40	K	12.5億年	・カルシウム40（Ca） [89.3%] ※安定同位元素・アルゴン40（Ar） [10.7%] ※安定同位元素
マンガン54	Mn	312.3日	・クロム54(Cr) ※安定同位元素
コバルト60	Co	5.27年	・ニッケル60（Ni） ※安定同位元素
クリプトン85	Kr	10.76年	・ルビジウム85(Rb) ※安定同位元素
ストロンチウム90	Sr	28.78年	・イットリウム90(Y) ※放射性同位元素
イットリウム90	Y	64時間	・ジルコニウム90(Zr) ※安定同位元素
テクネチウム99	Tc	21.1万年	・ルテニウム99（Ru） ※安定同位元素
ヨウ素129	I	1,570万年	・キセノン129（Xe） ※安定同位元素
ヨウ素131	I	8.04日	・キセノン131（Xe） ※安定同位元素
セシウム134	Cs	2.06年	・バリウム134（Ba） [99.9997%] ※安定同位元素・キセノン134（Xe） [0.0003%] ※安定同位元素
セシウム137	Cs	30.1年	・バリウム137m（Ba） [94.4%] ※放射性同位元素・バリウム137（Ba） [5.6%] ※安定同位元素
バリウム137m	Ba	2.55分	バリウム137 ※安定同位元素
ラジウム226	Ra	1,600年	・ラドン222（Rn） ※放射性同位元素
ラドン222	Rn	3.82日	・ポロニウム218（Po） ※放射性同位元素
ポロニウム218	Po	3.05分	鉛-214 ※放射性同位元素
鉛-214	Pb	26.8分	ビスマス-214 ※放射性同位元素
ビスマス-214	Bi	19.9分	ポロニウム-214 ※放射性同位元素
ポロニウム-214	Po	0.00016秒	鉛-210 ※放射性同位元素
鉛-210	Pb	22.3年	ビスマス-210 ※放射性同位元素
ビスマス-210	Bi	5.01日	ポロニウム-210 ※放射性同位元素
ポロニウム-210	Po	138日	鉛-206 ※安定同位元素
プルトニウム238	Pu	87.7年	・ウラン234（U） ※放射性同位元素
ウラン234	U	25万年	トリウム230 ※放射性同位元素
トリウム230	Th	8万年	ラジウム226 ※放射性同位元素
ラジウム226	Ra	1600年	ラドン222 ※放射性同位元素
ラドン222	Rn	3.8日	ポロニウム218 ※放射性同位元素
ポロニウム218	Po	3分	鉛214 ※放射性同位元素
鉛214	Pb	27分	ビスマス214 ※放射性同位元素
ビスマス214	Bi	20分	ポロニウム214 ※放射性同位元素
ポロニウム214	Po	0.00016秒	鉛210 ※放射性同位元素
鉛210	Pb	22年	ビスマス210 ※放射性同位元素
ビスマス210	Bi	5日	ポロニウム210 ※放射性同位元素
ポロニウム210	Po	138日	鉛206 ※安定同位元素
プルトニウム239	Pu	2.41万年	・ウラン235（U） ※放射性同位元素
ウラン235	U	7.04億年	トリウム-231 ※放射性同位元素
トリウム-231	Th	1.06日	プロトアクチニウム-231 ※放射性同位元素
プロトアクチニウム-231	Pa	3.24万年	・・【中略】・・鉛-207 ※安定同位元素

半減期が年に近い物質は、私たちの人生や、地球環境やそこで生きるさまざまな生物（動物や植物、細菌やウイルス・・・）に長期に渡って、放射線を浴びせ続けることになると想像できます。

ホモ・サピエンスが生きていたのは今から100,000年前

縄文時代は、今から、15,000年前

歴史で習って遠い昔のように思っていた奈良時代なんて、たった1,300年前のこと

核分裂を人為的に起こすことを覚えた人類は、

それによって生成された物質が、施設内でしっかりと管理する

それによって生成された物質が、自然界に流出する

という事態に関係なく、太陽の余命50億年にわたって、地球に影響を及ぼし続けるようなことをしでかしてしまった、そして、更に、しでかし続けているということなのかもしれません。

東京電力福島原子力発電所の事故の意味は、そういうことなのかもしれません。

仮に、人類が何らかの要因で滅んだと想像してみてください。

人類が保持していた核関連のさまざまな物質は、世界各地の廃墟から、自然の中に放出されることになるのです。

それは緩やかな放出なのかもしれません。

福島原発事故のように、爆発的なものかもしれません。

この世で一番大事なものは何なのでしょう？

お金ですか？

利便性ですか？

そろそろ、資本主義に支配された人々は、目覚めなければならないと思います。

たとえ、目覚めるのが遅過ぎたとしても。。。

ベースとした一覧表が記載されているページ

http://grnba.com/iiyama/img99/radioactivity.html

このサイトには、詳しい情報が掲載されていますので、もっと知りたい方は是非ご覧下さい。

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